かつて医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の期待株として保有していたエムスリーやメドレー。
しかし、思うように株価は上がらず、結局手放してしまいました。
「医療DXは国策だし、絶対に伸びるはず」という株式市場の熱い期待と、実際の医療現場。臨床検査技師である私と、看護師である妻の双方の現場目線から、その答え合わせができた気がしています。
1. 病院内は「電子カルテ」止まり。電話とFAXが未だに現役
私たちが働く病院でも、電子カルテ自体は導入されています。しかし、じゃあ完全DX化されているかと言えば、全くそんなことはありません。
- 院内や他施設との連絡・問合せは、今でも普通に電話とFAXが主役
- 検査データや紹介状のやり取り、緊急連絡で紙や電話が絶えず行き交う
- 新しいWebシステムやチャットツールを入れようにも、現場の運用コストや教育のハードルが高すぎる
株式市場は「現場の業務がどんどんクラウド化・自動化される」未来を織り込んで株価を釣り上げましたが、実際の現場は「未だに電話とFAX文化から抜け出せていない」のが現実です。
2. 街のクリニックや歯科は、未だに「紙カルテ」だらけ
大きな病院だけでなく、近所のクリニックや歯医者さんに行くと、受付の奥にびっしり棚に並んだ「紙カルテ」を目にしませんか?
実際、大病院では電子カルテの導入が進んでいるものの、街のクリニックでは約半数、歯科医院に至っては3〜4割程度しか導入されていません。
- 高額な導入・維持コスト
- 年配の医師やスタッフのITへの抵抗感
- 「今の紙運用で困っていない」という意識
DXどころか、「最初のパソコン導入(電子カルテ化)すら道半ば」というのが日本の医療業界の真の姿です。
3. 伸びしろはある!ただし「変化のペースは超スロー」
では医療DXに未来がないのかと言えば、そんなことはありません。むしろ普及していない分だけ潜在的な伸びしろは膨大です。
- 人手不足が極まり、ITに頼らざるを得なくなる
- 医師・看護師・コメディカルの世代交代が進み、ITネイティブ世代が中心になる
こうした変化によって少しずつ進んでいくはずです。ただし、投資家が期待したような「IT業界並みの爆発的スピード」ではなく、何年もかけて泥臭く浸透していくタイムスケジュールなのだと実感しました。
まとめ:市場の幻想ではなく「泥臭い現実」を見る
株式投資で大切なのは、市場の幻想に飛びつくのではなく、足元の現実を見抜くことです。
「紙カルテやFAXを無くすのが一番大変」という現場の壁を、夫婦そろって肌で知っているからこそ、焦って高値を追う必要はありません。
元ホルダーとして株は一度手放しましたが、「街のクリニックで紙カルテが消え始めた」「職場のFAXや電話連絡が新しいシステムに置き換わった」といった現場のリアルな変化を観察しながら、本当の買い時をじっくり見極めていきたいと思います!


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