「男性の育休取得率が50%を超えた」というニュースが話題になっています。
世の中の意識が大きく変わり、男性が育児に参加することが当たり前になりつつあるのは本当に素晴らしいことです。
実は僕自身、今から8年ほど前に「3ヶ月間の育児休業」を取得しました。
当時、まだまだ男性の育休なんて珍しかった時代。今回はその時の体験と、現在の医療現場(特に看護現場)における「育休のリアル」について思うことをお話しします。
8年前、恐る恐る申請した「男性育休第一号」
当時、僕が勤めていた病院では、男性スタッフが育休を取った実績がありませんでした。
総務課に相談しに行った際も、「今まで男性で育休を取った人は記憶にないですね…」と言われたほどです。
「本当に取らせてもらえるんだろうか…」「周りに迷惑がられないだろうか…」と冷や冷やしながら上司に打診したのを覚えています。
しかし、結果は意外なほどあっさり「いいよ!行ってきなさい」とOKが出ました。
拍子抜けするくらいスムーズに認めていただき、無事に3ヶ月間の育休に入ることができました。先陣を切ったことで道が拓けたのか、その後は後輩の男性スタッフが半年間の育休を取得するなど、徐々に職場に「男性も育休を取る文化」が浸透していきました。
前進した一方で浮き彫りになる「看護現場のリアル」
最近では、男性看護師の育休取得もかなり増えてきているようです。
制度としては確実に前進しており、素晴らしい傾向だと思います。
しかし、現場の看護師たちの話を聞いていくと、また別の切実な問題が見えてきます。
「育休は取れるようになったけれど、人手不足と圧倒的な業務の忙しさから、結局1ヶ月程度しか取れない」
これが今の看護現場のリアルな現状です。
身を削って働くのに報われない待遇への危機感
世間では「男性育休50%」と華々しく報じられていますが、医療の現場では「休みたくても現場が回らなくなるから、最低限の短期間で復帰せざるを得ない」というギリギリの状態で踏みとどまっています。
夜勤や過酷なシフト、感染リスクと隣り合わせの中で、まさに身を削るようにして患者さんの命を守っている看護師たち。
それほどまでに過酷で責任重大な仕事をしているにもかかわらず、長期で育休を取ることも難しく、待遇も十分とは言えない。
「こんなに大変なのに、報われない構造のままでいいのだろうか?」
「これでは、将来看護師を目指そうと思う若者がどんどん減ってしまうのではないか…」
一人の医療従事者として、強い危機感を抱かずにはいられません。
まとめ:制度の形だけでなく「現場の労働環境」の改善を
男性育休の取得率という「数字」が上がることは間違いなく良い変化です。
しかし、数字の裏側にある「現場の人手不足」や「過酷な労働環境・待遇問題」を放置したままでは、現場の疲弊は深まるばかりです。
命を扱う看護師たちが、自分自身の家族や人生も大切にしながら安心して働き続けられるよう、環境や待遇の抜本的な改善が進むことを切に願っています。

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